指輪の歴史と薬指

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教会と指輪

〜魔法のツール「指輪」〜

魔法って本当にあるのでしょうか。
魔法は古代や中世の作り話にしかすぎないと思っている人も多いと思いますが、実際には多くの人が魔法の存在を信じ、実行していたのです。
そして現代でも多くの人がその魔力を信じ、実践しています。
そう聞いて異議を唱える人が多いと思いますが、証拠があります。


指輪です。


ロードオブザリングを筆頭に数々の魔法物語に必ずといっていいほど登場する指輪ですが、その登場回数が示すとおり、指輪は魔力を発揮するための魔法の道具の1つなのです。
その指輪を意味を考えながら着けるということは指輪の魔力を信じているのと同じことです。
結婚指輪や婚約指輪を薬指にしたり、単なるファッションリングだからという理由で自分で買った指輪をあえて薬指を避けて他の指にする人は
暗にその魔法を信じていると言えるでしょう。


「いや、魔法というほどたいそうなものではなく、おまじない程度のものだ」と言う人もいるかもしれませんが、実はこの「おまじない」も魔法から派生したもので、魔力を頼った庶民の魔法、特別な訓練を要せず、誰でも気軽に実践できるライト版の魔法とでもいえるものが「おまじない」なのです。
 
指輪と天使

〜第四指の呼び名〜

手の第四指、つまり薬指の各国の呼び名を集めてみました。
新旧含め複数の呼び名がある国が多いですが、その意味に注目してください。
後ほど、呼び名に触れます。

日本語 薬指、薬師指、名無し指、紅差し指、紅付け指、環指、お姉さん指
中国語 無名指
英語 ring finger(指輪の指)、third finger(3番目の指)
ドイツ語 ring finger(指輪の指)、herz finger(心臓の指)、arzt finger(医者の指)
ラテン語 digitus annularis(指輪の指)、digitus medio proximus(中の隣の指)、digitus medicinalis(医者の指)
フィンランド語 nimeton sormi(名無し指)
ブルガリア語 benzimen pryst(名無し指)
モンゴル語 nereguy hurgan(名無し指)

 
 

〜心(心臓と精神)に繋がる薬指〜

魔力は薬指に存在する
理由はあなたの周りの魔女や魔道士に聞いていただきたいのですが、
理由はともかくとして、その道の方に言わせると薬指には魔力があるらしいのです。


時代を遡ること5000年
古代エジプト人は薬指が心臓と直結すると考えていました。
現代では心は脳と考える方も多いですが、この時代の心は全て心臓にありました。
つまり、薬指は心(精神)に直結すると考えられたのです。
左手の薬指は、心臓に近いことから特に大切に扱われました。
一般的に、結婚指輪を左手の薬指にするのはここからきているといわれています。


魔法と医療


一見関係なさそうにも思えますが、実はこれにも深いつながりがあります。
医学の発達していない古代の人々は病気を魔法で治そうとしたからです。
古代の人々は、ご祈祷やお炊き上げをすることで病の回復を祈りましたが、
祈祷やお炊き上げというのは魔法の一種であり、また同時に当時の医療の1つでもありました。
体の中心となる心臓が医療の基本ですから
心臓に直結し、魔力を持つ薬指は大切なものだったのです。


医学と薬指の関係はまたこのあとに記します。
指輪に秘める魔力のイメージ
 

〜名を知られたくない第四指〜

「名は体を表す」という諺がありますが、非科学の世界ではこれは基本のようで、
魔法をかけるには、そのかける対象物の名前を知り、呼ぶ必要があるようです。
神社でお参りするときも、法事でお経を唱えるときも対象の人の名前や戒名をいいますよね?
(神社のお参りでは、お願い事の前に住所氏名をきちんと言いましょう)
先ほど説明したとおり、祈祷も魔法の一種ですので、名前を呼ばなければ魔法(願掛け)はかけられないのです。
つまり、「名前を知る=それを支配する・操る」につながるのです。


かつて日本や中国でもわざと子供に汚い名前を付ける風習がありました。
辟邪名(へきじゃめい)というそうですが、これは悪霊に名前を呼ばれないようにするためだといわれています。
その風習は今でもモンゴル地方に残っています。


そして、その「名を呼ぶことがそれを支配することに繋がる」という考えから、力を持つ者の名を安易に口にしてはならないと考えられました。
事実、古代中国では他人の本名を呼んではいけなかったし、日本でも、今でも天皇の名前を基本的に呼びません。


ですから、もし薬指に魔力が存在するなら、その名をみだりに呼ぶべきではないと考えるのは当然のことでしょう。
そしてその考えから、日本語の「名無し指」をはじめ、フィンランド語、ブルガリア語、ペルシャ語、ロシア語、サンスクリット語、モンゴル語、中国語と多くの言語で第四指のことを「名前がない指」と表現したのです。
また、ラテン語の digitus medio proximus (中の隣の指) や英語の third finger (三番目の指) もその指を直接表現しないという点で、
「名前のない指」と同義だと思います。

 
指輪クラダリングの郷の十字架

〜魔力を発揮させるアイテム「指輪」〜

先にも説明しましたが、指輪は魔法の道具です。
魔力を発揮させるために着ける指輪は、当然魔力を持つ指に付けるのが妥当ですよね。


その考えから指輪は主に薬指に着けられ、ラテン語の digitus annularis、英語の ring finger、ドイツ語の ringfinger など、
またラテン語のannularisを語源に持つイタリア語、スペイン語、ポルトガル語などヨーロッパ言語の多くは薬指を「指輪の指」と表現するようになりました。
 
指輪にまつわる魔法の神話

〜魔法と病気〜

薬指には傷や病気を治す力があると信じられていました。
先にも述べましたが、古代の人々が病気を治す方法は魔法であり、その魔力は薬指に宿ると考えられたからです。
そのため第四指、つまりは薬指と医学を結びつけるようにもなりました。
ラテン語の digitus medicinalis とドイツ語の Arzt Finger は医者の指を意味し、日本語の「薬師指」も同様の理由でそう呼ぶようになったのです。


薬師指の名前の由来をもう少し詳しくご説明しましょう。
病気を治癒すると言われる仏教の薬師如来像を見ると、左手に薬壺を持ち、右手をかざして、その右手第四指を前方に曲げています。
薬師如来は薬を塗るとき第四指を使うのです。
これは魔法の指の考えからきているといわれます。


そして日本に仏教が伝わったとき同時に第四指を医学に用いることも学び、薬を扱う薬師(くすし)も第四指で薬を扱うようになりました。
それが起源となり第四指を「薬師指」と呼ぶようになったのです。
そしてそれが変化し、現代ではその指を「薬指」と呼ぶようになったのです。
 
ケルト十時と指輪の関係

〜指輪と...〜

様々な論文や書物などを調べ、指輪についてご説明しましたが、
古来、病気は魔法で治すものであり、その魔法の道具が指輪であり、その指輪は魔力を持つ薬指にした。
そういうことなるでしょう。

だからこそ指輪の中で最も大切な指輪、そう、結婚指輪は、心臓に直結する、左手の薬指にはめるのです。




指輪は、バレンタインのチョコレートのような商売人が自己の利益のために作ったのとは全く次元の違う非常に奥深いアクセサリーです。

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